読んだら寝る

好きな作家、本、マンガについて紹介

紹介

浅見ヒッポさんのみなそこに澄む世界〜川に飛び込むタイプの田舎の思い出

日本の人口は特定の都市に集中しているので、大きく分けると田舎に住んでいる人と都会に住んでいる人に区分できます。 そうなると少年時代の過ごし方としては、都会から田舎に転校してきて馴染めないでいるうらなりの男の子とそんな彼に苛立ちを感じつつ、度…

裁くのは「ぼく」。お前の罪を「ぼく」が量る〜辻村深月さんのぼくのメジャースプーン

少し前Twitterに富樫先生が降臨され、最近もHUNTER×HUNTERの進捗についてガンガンTweetされており嬉しい限りですね。連載再開が待ち遠しいです。HUNTER×HUNTERといえば、多感な時期に読んだ方は水見式をやってみたり、自分がどんな念能力を手に入れるか妄想…

或る夏の日の不穏な恋愛〜シギサワカヤさんのヴァーチャル・レッド

今月私が力を入れてやっていたことは、物理的にも精神的にもアクリルを切っては接着し、ちょっとした器材を作るといった作業でした。 アクリサンデー アクリサンデーカッター 131254 アクリサンデー(Acrysunday) Amazon アクリルカッター。こういうので何度…

研究者になろう!〜喜嶋先生の静かな世界

以前、弊ブログにおいて、京極夏彦さんのどすこいを紹介しました。文系の極みの様な大御所ミステリー作家を捕まえて何故代表作である京極堂シリーズではなく、力士が暴れる珍短編集を扱ったのかは過去の記事を参照していただくとして、その過去記事でも若干…

終末だからこそ殺人は起こるのか?物理の北山猛邦さん

もし世界が終わるなら何をするか?と言われるとまぁ終わるまでの時間にもよると思いますが、おそらく混乱を避けて家でゆっくりすると思います。できれば一年くらいで混乱も収まって前と同じ生活ができればいいですね。科学技術の発展を盲目的に信じているの…

エロ・グロ・ナンセンスにジュブナイル。何でもありの魅力〜道満晴明

2022年7月20日に道満晴明さんの最新作、「ビバリウムで朝食を」が発売されました。折角なので最新作の発売に合わせて大好きな漫画家、道満晴明さんの紹介をしたいと思います。 ビバリウムで朝食を 1 (1) (チャンピオンREDコミックス) 作者:道満晴明 秋田書店…

どすこいから始める京極夏彦

海外の実験で817ページのペーパーバックが小銃の銃弾を止めたらしいです。止めたと言っても穴は空いてしまったので、懐に入れていても人体にダメージはありそうなレベルですが。ちなみに小銃というのはいわゆる警官の方が持っている拳銃と違って各国の軍隊が…

解決じゃなくて解釈のミステリ。倉知淳さん

ミステリにも様々な種類がありますが、一番共感できるミステリとは何でしょうか?日本はかなり平和な国なのでそもそも殺人事件が滅多に起きない上に警察による検挙率も高くすぐに解決に至ります。そうなると頻繁に殺人事件が起きて、その事件が密室殺人でつ…

ゆる平安、ゆる青春、ちょっとダーク。D・キッサンさん

平安時代はお好きですか?平安時代というとゆったりと日本の文化が花開き徐々に平家と源氏の戦乱に向かうという中々にドラマチックな時代です。 ただ、今から1200年近く前なのでイメージが湧きづらい時代でもあります。源氏物語、枕草子、十二単くらいがなん…

怖いのはノンフィクション。フェイクと言ってくれ、「忌録」

夏ですね。台風が通り過ぎたおかげで少しだけ涼しい日がありましたがもう酷暑が基本みたいになってますね。そろそろ涼が欲しいところです。先日好きなラジオ番組であるYou Tubeチャンネルが紹介されたので見てみました。フェイクドキュメンタリーQというチャ…

なんか凄い存在がやって来て人生滅茶苦茶にしてほしい欲〜野崎まどさん

最近少しだけ仕事が落ち着き、多少は家庭を省みる余裕が出てきました。たまの休みなので妻と息子とゆっくりしたいところです。妻もたまにはほっこりとしたハッピーエンドの本が読みたいらしくおすすめを教えてくれと訊いてきました。そんな妻の本棚は大半が…

ロケットを飛ばして死体と宝を探したい夏休み

夏休み、いい響きの言葉ですね。私も小さい頃はカブトムシを乱獲してはひと夏の命である昆虫の儚さに思いを馳せたり、本領発揮して逃げ出したカブトムシ達のせいで親にめちゃくちゃ怒られたりしたものです。 さて、誰しも経験したことのある夏休み。少年の頃…

作家がこんなに体を張る必要ある?意外と考えさせられるギャグエッセイ〜菅野彰さん

どんなジャンルでも初めて読んだ本は記憶に残るものです。それがちょっとレアなシチュエーションを描いた作品だと尚更記憶に残ります。初めての叙述トリック、ボーイ・ミーツ・ガール、セカイ系、タイムリープもの、バトル物etc.そんな中、作者の日常生活を…

あの頃の女子って何考えてたんだろう?〜豊島ミホさん

私は田舎の観光地で生まれ、小学生の頃はとりあえず鉄馬(竹馬の鉄バージョン)に乗っていれば満足で、落ちてる枝を彫刻刀で削って槍を作ったりと蛮族の様な生活をしていました。中学に上がると仲の良い男友達とつるみ延々とマンガ、小説を読みプレステ2で三國…

民俗学と酒とカレーと美術品〜北森鴻さん

田舎が好きです。私が田舎出身であるということもありますが、廃墟やひなびた温泉街の昭和から変わらない町並みみたいなやつが大好きです。田舎に行くとちょっとタイムスリップしたみたいで楽しくなりませんか?令和なのに昭和の風景を見られるというだけで…

SFってどんなの?肋骨凹介さんの宙に参る

私はSFが好きです。SFというとなんとなくとっつきづらそうな気もしてきますが、作家達が想像力の限界を突破して産み出した「未来の話、未来の技術」「将来、こんなことが起こったら面白いよね」という内容が面白くないわけないじゃないですか。良く藤子・F・…

苦労人による苦労人のライトノベル〜浅田次郎

最近のライトノベルといえば異世界転生、ゲームのキャラクターに生まれ変わった、他の創作物からやってきた舞台装置をそっくりそのまま持ち込んだものが流行っているようです。優秀な人や努力している人でも実力の発揮できない理不尽な環境を時に強制的に去…