読んだら寝る

好きな作家、本、マンガについて紹介

今さら綾辻行人先生の「Another」を読んだ。

 タイトルの通り今さら「Another」を読みました。綾辻行人先生の本は昔、館シリーズ、殺人鬼シリーズ、囁きシリーズをあらかた読んだあとはあんまり触れて来なかったのですが、なんとはなしに読む本を探していたところ昔妻が読んでいたなとか妻が「人がピタゴラスイッチみたいな死に方するシーンがある。」と言ってたことをうっすら思い出したので今回手に取りました。息子がピタゴラスイッチのDVDを観ていたから印象に残っていたのかもしれません。

 

綾辻行人先生のAnother、めっちゃ有名なのに読んだこと無かった。

ちなみに漫画版もあるので小説苦手な方も手に取りやすいです。(全4巻完結済み)

 本作は、ある事情で東京から母親の実家のある町、夜見山市に引っ越してきた中学生の榊原恒一君のお話です。なんか物語が始まる前から町の名前が既に不吉なのですが…。榊原君は転校早々持病の肺気胸(肺に穴が開く病気)が再発して1日も登校することなく入院することに。暇を持て余した榊原君はホラー小説が好きな趣味を同じくし榊原君のことを「ホラー少年」と呼んでくる看護師の水野さん眼帯をした不思議な少女ミサキさん、亡き母の妹であり夜見山で祖父母とともに榊原君と同居することになった芸術家の叔母、怜子さん等と交流を深めて行きます。ホラー&ミステリーなのにゼロ年代のギャルゲーバリにヒロイン(候補)が出てくるなこの小説。


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漫画版Anotherより叔母の怜子さん
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割と新米看護師の水野さん

 さて、そんな感じで様々な人々と交流を深めていく榊原君ですが彼の通う夜見山北中学校には守らなければならない決まりが多々ありました。それは「屋上にいてカラスが鳴いたら校内に戻るときは左足から帰ること」「3年生になったら裏門の外の坂道で転んではいけない」「クラスの決め事は必ず守ること」と言ったものがあり、この決まりを守らないとどうなるかと言うとだいぶ死ぬ確率が上がります。

 過去に起きた事故から、数年ごとに起こる「ある年」になると夜見山北中学の呪われた三年三組は毎月人死にが出ることになったのです。これを防ぐためにクラスの決まり事がある訳ですね。

 私がかなり好きなのはこの呪いに対してあんまり原因究明がはかられたりしない所ですね。よくあるホラーものだと、何故呪われているのか、どうすれば解決できるのか?ひたすら文献や聞き込みで調べた結果、もうどう見てもこの山奥にある呪われた祠のせいじゃん!みたいな祠に優しい登場人物が自らを捧げた結果、犠牲は出たけど呪いは止まった!みたいなシナリオありがちじゃないですか?


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映画「呪詛」めっちゃそんな感じの祠があった名作。

Anotherは冒頭に呪いの原因らしきストーリーが示されますが、その原因で亡くなった人物が延々とクラスを呪ってるみたいな描写は無く、亡くなった後に行ったとある儀式でなんとなーく三年三組が呪われたのかも?位でさらっと流されます。何故さらっと流されてるかというと遥か昔からお祓いをしたり、クラスの名前を3組からC組にしたり教室の場所を変えたり色んな対策を取ってきたから、そしてあんまり対策が功を奏していないからに他なりません。功を奏していないとどうなるかというとかなりの力技で死者が出ます。具体的にはピタゴラスイッチみたいな偶然で人が死んだり、エレベーターの天井が落ちたり、車が突っ込んできたりします。呪いや怨霊の姿は見えないのに殺意が高すぎる。


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うちの息子も大好きなピタゴラスイッチf:id:sannzannsannzann:20250808202230j:image

デスノートより夜神総一郎さん。

こんな感じで突っ込まれたら対策のしようがないよ!

 そんな対策があんまりうまくいっていない夜見山北中学校はせめて何とか死者数だけでも減らせないかと担任教師と対策係で申し継がれてきた様々な対策を行っています。が、こんな恐怖のクラスに担任はあんまり関わりたく無いので中学生が頑張って考えた対策で何とかしようとしてますので、結果、割と頑張って考えられていたルールの穴が随所で突かれてガッツリ死者が出ることになってしまうのですが…。中学生のガバガバルールのせいで!と言うのは簡単ですが意外とちゃんと守られていたんですよ。ただ、転校初日からいきなり肺気胸で入院する男の子なんていうイレギュラーな存在がいるとどうしてもルールの徹底は難しいですよね…。

 主人公の榊原君はそんなルールもつゆ知らず微妙にクラスで浮いている様に見えるミサキさん(見崎鳴)さんと交流を深めたり、自分共々微妙にクラスで浮いていることを利用して一緒に中学校をサボったり人形館に行ったり図書室で調べ物をしたりします。ギャルゲーだとしたらもうだいぶミサキルートに突っ込んでいってる感じです。ちなみに父親はインド出張に行っていて祖父母もそこまで夜遊びに厳しすぎる訳でもなく、やっぱギャルゲーじゃないですか!死者が出続けるクラスの中で謎の多いミサキさんと青春しつつ生き延びることができるのか!と言った趣で、ミステリー・ホラーなのにボーイミーツガールも入っているというかなりの欲張りセットな作品となっています。

 見どころは先ほど述べた「こんなん止めようが無いやん。」ってくらい殺意の強い呪いと「そんなことやったら絶対誰か死ぬやん。」ってくらい軽率に見える行動(例:皆で登山)、そんな殺意の渦の中でそれすら気にならないくらい面白いメインの謎解き要素ですね。めっちゃ派手に人が死ぬし、ツッコミどころと言っても仕方ないくらいのシーンはいっぱいあるんですが匠すぎるストーリーテリングのお陰でメインの謎が気になって仕方ないというミステリーの傑作だと思います。先述のキャラ萌要素も相まってそれは漫画化、アニメ化とメディアミックスしまくるはずですわ!

 

Another

Another

  • 高森 奈津美
Amazon

アニメ版

 映画版

 ちなみに本作は「あの夏休み、ミサキさんが出会ったもう1人のサカキとは?」から始まる「AnotherエピソードS」や「あれから3年後、また呪いが幕を開ける!」「Another2001」など、「今度のAnotherはハワイで大騒ぎ!」ばりにしゃぶられて尽くしてる感があります。私も是非続きを読む所存です。

 

AnotherエピソードS

表紙のミサキさん可愛いよ。

まだ読んでないが榊原君の後輩たちも頑張ってください。

 この夏、緩い呪いに飽きてきた方、問答無用に死ぬ理不尽さが大好きな方、是非本作を読んでみてはいかがでしょうか。ついでにどのヒロインが好みだなぁ〜とか思いながら読むことを推奨します。そうキャラ萌えしながら読んでめちゃくちゃ楽しかったのでオススメです。

 

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