読んだら寝る

好きな作家、本、マンガについて紹介

ずっと「堀さんと宮村くん」に憧れている。

 一番縁が無いなと思う世界が有りまして、スクールカーストの中心ですね。もう卒業して15年以上経ってるのも一応理由としてありますが。

 趣味は読書とラジオドラマ視聴で、部活でラグビーをやってて声の大きい私は、大体クラスのすみっコのグループでうるさい声を上げて笑ってました。ちょっとうるさいすみっコぐらしです。いや、高校とか勉強まみれの割には楽しかったんですが、今思うとイジメとか色々あった気もしますし、まぁ良くも悪くも普通の高校でした。

 

 一応こんな私にもモテた時期がありまして、一度ラグビーの練習後帰宅中に看護科の女子から「ラグビー部の中でかっこいいと思ってました!よかったら今度遊びに行きませんか?写メとか送ってください!」ってメールが来て、ちょっと嬉しくなった私は、一緒に駅に帰っていた同じようにモテなさそうな3年の先輩に相談しました。同志がモテたのが嬉しくなった先輩は私が一番かっこよくなる方向を考えて斜め45度上くらいの角度で写真を撮ってくれました。即、送信しました。

 結果、あまりのキメ顔がクラスでドッキリをしようとした友人たちの倫理に訴えて「ドッキリとかやっちゃいけなかったよね…。」とドッキリ自体とネタバレが無くなりました。10年後友人に「たけひこキメ顔事件」として犯人の名前は伏せられて経緯を伝えられ、モテて無かったんだと悲しい気持ちを追体験しました。というか被害者は私なんだから犯人教えろやという気持ちが無くはないです。なんでキメ顔見せられた側が被害者ぶってるんだよ。

 

 さて、こんな感じなので高校の恋愛には一切縁がなかったのですが、反動として恋愛漫画・小説は大好きでした。以前紹介した「君と僕」羽海野チカさんの「ハチミツとクローバー」が特に好きでしたが、「大学に行ったらこんな恋愛できるんだー」と思っていたのがハチクロだとしたら「高校はこんな日常が送れるはず!」と憧れながら読んでいたのがHEROさんの「堀さんと宮村くん」でした。

 

(本編10巻完結済み、おまけ15巻完結済み)

ちなみに作画萩原ダイスケさんの漫画も17冊出ています。

 堀さんと宮村くんは作者のHEROさんが個人サイト「読解アヘン」で連載されていた青春漫画です。

 あらすじを言いますとめっちゃギャル趣味の堀さんがひょんなことからクラスの陰キャ宮村くんが、オフの時はピアスをバチバチに着けて、体の結構な部分にタトゥー彫ってるイケメンであることに気づき、次第に仲良くなっていくという内容です。

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わかりやすいあらすじ。

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メインキャラ達。

 今でこそたまに見かけそうな設定ですが、この作品は結構な先駆者だと思っています。逆パターンは「おもしれー女」って感じでよくありそうですが。

 序盤は基本堀さん目線なので、堀さん目線で宮村君の魅力的な部分がどんどん描かれて居て「無からこんなセクシーな男が練成されてたまるかよ!等価交換はどうした!」と思っていたんですが、堀さんは堀さんで「オタクに優しくは無いけど家では家庭的なギャル」なのでこのあたりでエネルギーが保存されている筈です。

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「クラスのアイツの本当の姿を俺しか知らない」って良いですよね…。

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「私だけが良さを知っている宮村くん」はついでに暴力も強いぞ!守ってほしい。

 さて、この2人が付き合っていくまでの過程を描くって言うと少し語弊があります、付き合うまでの時間は(巻数的には)結構短いので。あとイジメや恋愛・受験の悩みなんてのも結構描かれていますが、それもメインではありません。何がメインかと言うと「高校生たちの日常」です。

 実際に高校生の頃は色んな悩みがあったと思いますが、別にその悩みが人生のメインじゃないでしょうし、悩んでも落ち込んでも腹は減るし眠たくなるわけです。部活に打ち込んでいても、別にそれは勉強を一切しないわけじゃないし、他に日常が全く無いわけでも無いじゃないですか。

 この作品は、まさに日々の高校生を描いてるんですよ。平成中期〜後期を結構な解像度で!喩えるならそう、日本人にとって欠かせない白米の高級なやつをおにぎりにした感じです。日常≒米がメイン、恋愛その他≒おかずはサブといった感じですね、喩えがデブであれですが。

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全般的に楽しそうな日常が続く

 日常がメインで描かれるって、結構難しいと思うんですよ。テンプレート的なキャラ設定だけではなくて、実際にこの人物だったらなんて話すんだろうって言うのはもはやシミュレーションの領域では…とか思ってしまいます。テンプレ的な設定、料理が殺人的に下手とかも有るにはありますが別にそれがメインでは無いですし。

 そういう意味では本作は、本編10冊、おまけ15冊ともはやメインストーリーよりおまけが充実しているという。まぁ10冊ある本編も余裕で日常がメインなんですが。そんなおまけは、今後は書籍化されないそうですが、まだまだサイトで不定期で連載が続いているという非常に有り難い、これがあるだけで最低限度の文化的な生活を送れるという状態ですが、一方でいつか作者様がお亡くなりになったらサイトはどうなるんだと気が気ではありません。一生書籍化してくれスクウェア・エニックス…。

 高校時代、こんな日常を多分ある程度誰もが送って居たと思うんですよね。色々悩んでいたこともありましたが、総じて言うと楽しかったですし。まぁ人によって恋愛の有無とか友人の数とか程度の差はあると思いますが。そんな中でも、「ここまで素敵な3年間送れたら最高」を25冊分堪能できるのは凄いです。ちなみに、営業妨害みたいですが、サイトで全て読めますので、是非ブログなんて根暗な媒体読んでないで本編を読みましょう。

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地味に大好きなシーン。

ホラー小説読んで部屋の気配がなんとなく怖くなって友人を家に呼ぶシーン。

友人が居なかった宮村くんに友人ができていることも素敵なんですが「夜中に気軽に呼んでも大丈夫っていう人間関係を構築できていること」と「こうやって遊ぶのが日常になっていること」2つが羨ましかった。

 本作で好きなキャラと言うと「箱推し」になってくるのですが、特に好きなキャラを言いますと、男子だと井浦くん、女子だと吉川さんですね。

 井浦くんはクラスでお調子者でうるさいタイプのガヤガヤした男で、家では寡黙で妹にうざがられている割と平均的な男の子です。

 この家と学校でキャラが違うの、考えてみれば全然当たり前に居ると思うのですが、私自身が割とどこでもタイプが同じ大味な人間なのでちょっとアハ体験を感じました。普段は脳天気な人間でも悩みがあるなんて言うのも、自分には見せない面を持ち合わせているというのも当たり前なんですが、意外とそこまで想像が付かない様な気がするのは…、書いていて自信無くなって来ましたが、意外とそこまで思い当たらないですよね?ちなみにうるさいところはかなり共感できますが、持ち前の明るさからすぐに彼女ができてすぐに振られているというあたりから、私の同志ではないです。この緑髪、青春を謳歌しております。

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妹にもギャップで驚かれている井浦君

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大まかなキャラを教えてくれる井浦くん

作品紹介にもうってつけ。

 女子で素敵だと思っているのは先程も述べた吉川さんですね。理由は可愛いからです。

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吉川さん。これは正ヒロインですわ。

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こんな可愛い没案があるかよ。

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野生のイケメン(後の準レギュラー)に告白される吉川さん。

 ギャルな堀さんの友人で、本人もギャルな吉川さんは、なんかナチュラルに萌え袖だし、スクールカースト上位に居るのにゆるーい雰囲気で気さくなので、多分同じクラスに居て学園祭の準備とか一緒にやると「あれ、吉川さんって意外と話しやすい?」って勘違いして絶対告白してしまうけど、「全然まだ良く知らないし」って真っ当な理由で当たり前に振られて気まずくなってしまうし、きっと「堀さんあたりとキモいのに告白されたーw」みたいな風に話して盛り上がらない優しいタイプなのが良いんですよ。

 あと吉川さんみたいな人は、きっとどこのクラスにもスクールカースト上位グループに居て、無意識に「高嶺の花」と恋することすらせずフレームアウトしていたと思う。そんな可愛い子クラスに居た気がする。言葉も交わしてなさそうだけど。

 ある意味超普通な女子でそれ故に滅茶苦茶可愛いのが吉川さんです。本人も堀さんや他のキャラと比べて、自認・自称ともに平凡な人間だと思っているあたりも好きです。それは強みだよ吉川さん!しかし、残念なことに作中では紫髪の石川くんと延々とイチャイチャしてます。私も紫色の髪色だったらワンチャンあったんでしょうか。堀さんと宮村くんと違って、こっちは「付き合う」とか「彼氏彼女」とかじゃなくて曖昧な名前のついていないような関係なのもいいですね。強いて言うならば「友情」なんですが。

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なんか無限にイチャイチャしてる。

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家に行ってるのに付き合ってないの何なんですか?

 魅力的なキャラについて好き放題語ったので締めますと、神の目線で高校生の内面まで眺めつつ、一員となって青春を追体験できる最高の青春漫画です。マトリックスで機械側に裏切って仮想空間の中で理想の生活しようとしてた奴居たじゃないですか、あいつが見ようとしていた夢が本作品です。

 自分の青春は受験と深夜ラジオだった方、「彼女?中学のときは居たんだけどね。」といきがった経験のある方に特にオススメです。

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