徹夜の仕事明けでめちゃくちゃ眠いです。そんな中でも楽しみにして仕方がなかったのは3月のライオン最新刊です。なんかやたらと激務のさなかに生じた休み1日。その貴重な休日は3月のライオンの最新刊を読むことから始まりました。
3月のライオン、最新刊。
3月のライオンは若き将棋の棋士、桐山くんが、育ての親を盤上でボコボコにするシーンから始まります。
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自宅を静かに出て、将棋を指して、帰宅するだけの様子を淡々と描いていた第1話。そんな桐山くんの内心は、無抵抗の相手を何度も殴打したかのような心持ちでした。両親が亡くなり、引き取ってくれた将棋の家、そこでプロ棋士の養父の子供たちをぶっちぎって自分だけプロ棋士になった桐山くん。描写はたんたんとしているのに、その後はそんな彼の葛藤が描かれてグロテスクにすら感じます。しかし、そこはあの「ハチミツとクローバー」の作者羽海野チカさん。次第に明るい世界で桐山くんが当たり前の子どもとして、棋士として成長する姿が生き生きと描かれていきます。
そんな桐山くんが成長するきっかけとなったのが私の推しのおっさん、島田さんです。
推しのベストショット。
この島田さんはA級棋士というめちゃくちゃ将棋の強いおっさんで、「あぁいう負けない将棋を指す人苦手だな〜」とか嘗めた気持ちで挑む主人公の慢心した頭をかち割ってくれます。
かち割られシーン。
そうして、一度心を粉々に打ち砕いてから、主人公の桐山くんを研究会へと誘い、心も将棋も成長させてくれるナイスガイが島田さんです。面倒見が良いのもさることながら、淡々としてるのに強いってやっぱり憧れるタイプのキャラクターです。
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優しいおっさん!
さて、この3月のライオンは若き棋士桐山が徐々に成長し、救われていく物語です。一方で、おっさんたち、老人たちはそれ以上成長しません。
いますよね、成長しないおっさんキャラ。
それはそうです。いかにスポーツほど顕著ではないとはいえ、頭を使う将棋にも脳の限界はあり、全盛期があります。
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作中で描かれる様々な老人、おっさん棋士達。
それでも研究を重ねて目の前の1戦1戦に挑み続けるおっさんが尊いのが3月のライオンですが、その最たる例が島田さんです。
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凡人を自称し、努力するナイスガイ。
島田さんは将棋のためにできることをなんでも積み上げて来ているので実力もさることながら、周りからの評価も非常に高いです。
評価の高い島田さん。
A級で鎬を削って、タイトル戦にも挑んでますし、地元のためにもいつか名人へと常に意気込んでいます。幼い頃から好きな将棋のために生きてきたおっさんです。
地方からずっと棋士になるために胃炎と戦ってきた島田さん。
さて、そんな善人オブ善人なお人好し島田さんは過去に恋人を捨てました。捨てられた、とも本人は言っていましたが、相手を不幸にしないために納得して互いに手を離したみたいな印象を受けます。それ以来、将棋に打ち込むために、どんなに互いに良いと思う相手がいても、恋愛に踏み込めなくなっています。
桐山くんの恩師の恋敵になりそうでならない島田さん。
時折島田さんはかつての恋人を捨てたことを悔い、自分の選ばなかった棋士以外のルートを夢想します。おっさんなら誰しもありますよね、自分の別ルートを考えること。
恋人と結婚した幸せな未来という悪夢を見る島田さん。
そういったところが、こんなに真摯に生きてるおっさんも悩むんだと、大して真摯に生きていない我々の心に小さくて明るい火を灯してくれるのです。
善人であることを悩む島田さん。
胃の痛みを、そして心の痛みを将棋に捧げた光と闇のおっさんが島田さんなんですよ!
そして超序盤(17巻中の3巻くらい)で主人公をふっ飛ばしてから久々に再戦が予期されているのが最新刊です。
3巻で島田さんが主人公をふっ飛ばしたとき、私は未成年の桐山君よりも歳下でした。今は結婚し子供も生まれ、年齢は桐山君より島田さんの方がよほど近くなってます。若き天才桐山くんに共感したかった高校時代から、悩み戦い続けるおっさん、島田さんに共感する今。ある意味3月のライオンを追い続けたことで2度美味しい作品になっています。
おっさんの星、島田さんの心の闇は逐次描写されてきましたが、最新刊では、恋人と仲間たちと幸せな将棋ライフを送る光の桐山君とかつて捨ててきた物を想い、将棋だけは負けられない闇のおっさん島田さんの対比がえげつない事になっています。
私生活と将棋のいいループに入った主人公。
主人公を光に導いたのに一番闇な、ラスボス感ある島田さん。怖い。
そんな島田さんの未来がどうなるか、見届けて見たいと思いませんか?ちなみに先程友人にこの島田さん戦がどうなるか相談したところ、「ここで桐山くんが島田さんに負けたら3巻から全く成長してないみたいで嫌。」とのことでした。
どうなるかわかりませんが、推しのおっさん、島田さんの将来を早く見たいところです。桐山に浄化されて恋愛に走る島田さんも、闇に生きる島田さんもどちらも楽しみにしています。
最近推しのおっさんがいない方に是非、3月のライオン17巻をオススメします。
ここから更に令和7年9月29日発売の3月のライオン18巻の話をします。最新刊の超ネタバレです。
推しが久々の表紙!
さて、推しの島田さんはルーティンの朝食を摂り、いつものように1時間前には将棋会館に辿り着くように行動していましたが、地元から馬刺しが急に届くわ、玄関の鍵が閉まらなくて苦戦するわ、挙句の果てに将棋会館の方直前でおじいちゃんの財布を拾うわでもう、護身が完成して戦いにたどり着けない渋川剛気みたいになっていて対局前から不安が募ります。
島田さん!取り敢えずは将棋会館に行って誰かに託すとかさぁ!
グラップラー刃牙より渋川剛気
そして遅刻、将棋の遅刻は遅刻時間の3倍の持ち時間が削られるということで54分のロスを宣告される島田さん。もう、結果を見る前から「あれが無ければ島田さんが勝っていたのにね…。」というフラグにしか見えない。とは言えいざ対局が始まると流石はA級棋士。真面目に弟子をシャットアウトします。
遊ばない大人と遊んで欲しい弟子
コーチスタイルの推しのおっさん。
ここからが本領発揮じゃ!とコミカルなシーンを挟みつつも弟子を完封する島田さん。年季が違うんですよ年季が!という辺りで、奇妙な指し手をしてくる弟子にして主人公桐山、えっ何この手と困惑した辺りで、仕方なく力攻め(定跡に無い指し方)に移行する島田さん。「島田は雑に力攻め位するくらいが良いんだよ!」と盛り上がる外野と読者、ガッツリと気圧される主人公桐山くん。ここ主人公目線だと魔王第2形態って感じですが島田さんファンからすると推しイケメンシーンでしかありません。
力攻めする推し。
将棋の鬼
前巻で「人間らしくなってきた、人間なら倒せる。」とたそがれていた島田さん。何なら倒せないかと言うと鬼だったんですね。鬼ってなんだよと思う読者に対して、挟まれる回想シーン。
別れた彼女のことを思い出す島田さん。
やめて、これ以上フラグを立てないで!
「将棋の鬼」
恋人含め全てを捨てて将棋に打ち込んできたという自負のある島田さん。俺は鬼だからと言い聞かせて恋人を遠ざけてしまった様に見えます。恋人からすると、一緒に居たかったと思ってそうですが、恐らく島田さんが対局に負けた際に互いに「あの時間がなければ勝てていたのかもしれない。」と考えてしまうのが嫌で互いを傷つける前に別れたのでしょう。さながら泣いた赤鬼です。※ここ完全に妄想です。
島田さんが対局中にたまに聴こえてくる地下道の音。
まさに鬼気迫る島田さん。
最後の心象風景
さて対局はどうなったかと言いますと。推しの負けです。実は3月のライオンの桐山勝利演出に、「負けた棋士の目の前を何かが高速で通り過ぎていく」があります。今回は鉄道でした。対戦ありがとうございました。前の巻から負けるフラグがビンビンだったんで仕方がないですね。でも負けた遠因は、落ちていた財布を思わず届けてしまったという島田さんの善人らしさが垣間見える理由でした。
どんなに将棋の鬼ぶっていても、どこまでも人でしか無い島田さんは、メンタルダウンで潰れかけていた危うげな主人公に、研究会という場を与え、ケアをし、なんなら将棋の指導もしてあげて…お前が桐山を育て上げたんやないかい。なんとも推しの人らしさが際立つ巻でした。
島田さんの戦いはこれからだ!
さて、次巻が最終巻ということで順当に行けば桐山君が名人とタイトルを巡って戦うんでしょうが、推しは!島田さんは幸せになれるんでしょうか?次巻で無理矢理にでも幸せになってもらわないと困ります!恐らく1年後の最終巻、島田さんの最後の活躍を待ちましょう。

































